CR-Zはホンダが2010年から2017年まで販売していたハッチバックスポーツタイプのハイブリッドカーです。
CR-Zは「Compact Renaissance Zero(コンパクト ルネサンス ゼロ)」の頭文字を取った車名で、従来の価値観に捉われず新しいコンパクトカーを創造するという志のもとで、原点に立ち返ってチャレンジするという想いが込められています。
ちなみに一般に「シーアールゼット」と呼ばれることも多いこの車ですが、公式の名称は「シーアールズィー」と呼びます。
運転する楽しさを感じることができるスポーツクーペを目指し、3ドアファストバックの洗練されたスタイルから日本国内はもちろんアメリカやヨーロッパ、韓国などでも広く販売され、日本カーオブザイヤー、グッドデザイン賞などを受賞しています。
CR-Zは販売当初は月間販売目標の1000台に対して10倍の10000台を受注するなど消費者の心を鷲掴みにしましたが、縮小するスポーツカー市場にあって販売台数が頭打ちになり、2017年にコアなファン達に惜しまれながらも販売を終了することになりました。
この間CR-Zはフルモデルチェンジを行っていませんので、販売モデルはひとつのみとなります。
このようにCR-Zは数少ないハイブリッドタイプのスポーツクーぺですので、スポーツ走行を楽しみつつ環境にも配慮したい、経済的に燃費の悪い車に乗ることが難しい方などにおすすめしたい車です。
以下ではCR-Zの型式やグレード、簡単なスペックなど基本情報を説明したあとで、型式ごとの維持費の目安、中古車価格帯を紹介していきます。
CR-Z(2010-2017)
CR-Zの基本情報
CR-Zの型式
CR-Zの型式はZF1、ZF2の2種類です。
CR-Zの型式は年式によって区分されており、ZF1が前期型でZF2が中・後期型となります。
また中期型以降ではハイブリッドシステムの見直しが実施され、搭載するバッテリーを変更し電圧を上げることに成功したため最高出力等のスペックが若干上がっています。
型式 | 年式 | バッテリー | 最高出力 | 最大トルク |
---|---|---|---|---|
ZF1 | 2010.2-2012.8 | ニッケル水素電池 | CVT: 113ps(83kW)/ 6000rpm MT: 114ps(84kW)/ 6000rpm |
CVT: 14.7kg・m(144N・m)/ 4800rpm MT: 14.8kg・m(145N・m)/ 4800rpm |
ZF2 | 2012.9-2017.1 | リチウムイオン電池 | CVT: 118ps(87kW)/ 6600rpm MT: 120ps(88kW)/ 6600rpm |
CR-Zのグレード
CR-Zの主なグレード構成は以下のとおりです。
グレード | ZF1 | ZF2 |
---|---|---|
標準 | β | |
上級 | α αブラックレーベル |
α αマスターレーベル |
CR-Zのスペック
CR-Zのスペックは以下のとおりです。
項目 | 型式 |
---|---|
ZF1 ZF2 |
|
エンジン | ハイブリッド |
排気量 | 1500cc |
駆動方式 | 2WD |
ターボ | 無 |
使用燃料 | レギュラー |
車両重量 | 1130〜1180kg |
想定実燃費 | 17.2km/L |
CR-Zの維持費の目安
CR-Zの維持費※は年間178,375円(月あたり約14,900円)が目安となります。
維持費はすべて1年間の費用として算出しています。
また重量税と自賠責の支払いは車検と同時に行いますので、重量税、車検費用、自賠責は2年に1回の車検の際に発生する費用を1年分に按分した金額になります。
- 自動車税
ZF1/ZF2型CR-Zは1000〜1500ccの課税クラスに該当しますので、34,500円となります。 - 重量税
ZF1/ZF2型CR-Zは1000〜1500kgの課税クラスに該当します。
またZF1/ZF2型CR-Zはエコカーに認定されているため、重量税は軽減され7,500円となります。 - 車検費用
車検代行料金、一般消耗品の交換費用などを含め車検費用を50,000円としています。 - 自賠責
ZF1/ZF2型CR-Zは自家用乗用車に該当しますので、自賠責の金額は10,775円となります。 - 燃料代
年間10,000km走行、レギュラー1Lあたり130円を前提条件として、基本情報で説明した想定実燃費をもとに燃料代を算出しています。型式 燃料代 ZF1
ZF275,600円
任意保険料は加入者の年齢やフリート等級などによって大きく変動するため維持費の目安から外しています。
ご参考までに、任意保険料は型式ごとの保険支払状況に基づいて毎年料率クラスを算出しており、損害保険料率算出機構の定める2021年のCR-Zの型式別料率クラス※は以下のとおりとなります。
補償内容 | 料率クラス | |
---|---|---|
ZF1 | ZF2 | |
対人賠償責任保険 | 7 | 9 |
対物賠償責任保険 | 7 | 7 |
搭乗者傷害保険 | 6 | 7 |
車両保険 | 7 | 8 |
ほとんどの保険会社がこの料率クラスをもとに保険料を決定していますが、具体的な算出方法は各社に委ねられているため会社によって保険料は異なります。
複数の保険会社の保険料を比較したい場合は無料の一括見積もりサービスを活用しましょう。
CR-Zの中古車価格帯
CR-Zの中古車価格帯は以下のとおりです。
年式 | 中古車価格帯(車両価格) |
---|---|
ZF1 ZF2 |
|
2010年 | 25〜130万円 |
2011年 | 35〜125万円 |
2012年 | 40〜135万円 |
2013年 | 55〜195万円 |
2014年 | 70〜185万円 |
2015年 | 150〜205万円 |
2016年 | 155〜205万円 |
2017年 | ー |
CR-Zのライバル車
CR-Zはハイブリッドスポーツという独創的なカテゴリーの車ですので直接的なライバル車はありませんが、あえて挙げるならハイブリッドタイプではトヨタのプリウス、スポーツタイプではトヨタの86やスバルのBRZ、マツダのロードスターなどが挙げられます。