ハイエースワゴンはトヨタが1967年から販売しているキャブオーバータイプのワンボックスカーです。
1967年の登場以降世界130カ国で累計600万台を超える販売実績を誇る、もはや説明不要なぐらいに知名度の高いハイエースワゴンはまさに日本を代表するキングオブワンボックスカーと呼ぶに相応しい車です。
四角いボディフォルムが生み出す広大な室内空間は、荷物をたくさん積み込む事業用途や、たくさんの人が乗車する家族用、外出先での車中泊やキャンピングカーベースなどとして販売開始以来現在に至るまで高い人気を誇ります。
なおハイエースワゴンは1977年、1983年、1989年、2004年にフルモデルチェンジを行っており、現在販売されている車両は5代目モデルとなります。(初代〜3代目モデルのハイエースワゴンは市場に出回っている中古車台数がわずかですので割愛させていただきます。)
以下ではハイエースワゴンの型式やグレード、簡単なスペックなど基本情報を説明したあとで、型式ごとの維持費の目安、中古車価格帯を紹介していきます。
目次
4代目 100系ハイエースワゴン(1989-2004)
4代目 100系ハイエースワゴンの基本情報
4代目ハイエースワゴンは1989年に登場し、すべての型式に用いられる数字が100台であることから通称100系と呼ばれています。
4代目 100系ハイエースワゴンの型式
4代目ハイエースワゴンの型式は多岐に渡りRZH100G、RZH110G、RZH101G、RZH111G、LH100G、LH110G、LH120G、LH140G、LH107G、LH107W、LH117G、KZH100G、KZH110G、KZH120G、KZH106G、KZH106W、KZH116G、KZH126Gの18種類です。
このうちRZH100G/RZH110G/LH100G/LH110G/LH120G/LH140G/LH107G/LH107W/LH117G型ハイエースワゴンは市場の中古車台数がわずかなためこのページでは割愛します。
RZH101G/RZH111G/KZH100G/KZH110G/KZH120G/KZH106G/KZH106W/KZH116G/KZH126G型ハイエースワゴンのそれぞれの型式は以下のとおりエンジンの種類や駆動方式、ボディタイプ(全長)などによって区分されています。
型式 | エンジン | 駆動方式 | ボディタイプ |
---|---|---|---|
RZH101G | ガソリン | 2WD | 標準 |
RZH111G | ロング | ||
KZH100G | ディーゼル | 標準 | |
KZH110G | ロング | ||
KZH120G | スーパーロング | ||
KZH106G | 4WD | 標準 | |
KZH106W | |||
KZH116G | ロング | ||
KZH126G | スーパーロング |
4代目 100系ハイエースワゴンのグレード
4代目ハイエースワゴンの主なグレード構成は以下のとおりです。
グレード | RZH101G | RZH111G | KZH100G | KZH110G | KZH120G | KZH106G | KZH106W | KZH116G | KZH126G |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
廉価 | – | デラックス ロング | デラックス | デラックス ロング | – | – | – | デラックス ロング | – |
標準 | カスタム | – | カスタム | – | カスタム | – | |||
上級 | スーパーカスタム | スーパーカスタム | グランドキャビンG-e スーパーロング | スーパーカスタム | スーパーカスタム | グランドキャビンG-e スーパーロング | |||
最上級 | スーパーカスタムリミテッド | スーパーカスタムリミテッド | グランドキャビンG-p スーパーロング | – | スーパーカスタムリミテッド | – |
4代目 100系ハイエースワゴンのスペック
4代目ハイエースワゴンのスペックは以下のとおりです。
項目 | 型式 | ||
---|---|---|---|
RZH101G RZH111G |
KZH100G KZH110G KZH120G |
KZH106G KZH106W KZH116G KZH126G |
|
エンジン | ガソリン | ディーゼル | |
排気量 | 2400cc | 3000cc | |
駆動方式 | 2WD | 4WD | |
ターボ | 無 | 有 | |
使用燃料 | レギュラー | 軽油 | |
車両重量 | 1680〜1880kg | 1910〜2070kg | 1970〜2210kg |
想定実燃費 | 6.8km/L | 8.3km/L | 7.8km/L |
4代目 100系ハイエースワゴンの維持費の目安
4代目ハイエースワゴンの維持費※は型式によって異なり、年間274,675~326,475円(月あたり約22,900~27,200円)が目安となります。
- RZH101G/RZH111G型ハイエースワゴン
→326,475円/年(約27,200円/月) - KZH100G/KZH110G/KZH120G型ハイエースワゴン
→274,675円/年(約22,900円/月) - KZH106G/KZH106W/KZH116G/KZH126G型ハイエースワゴン
→283,175円/年(約23,600円/月)
維持費はすべて1年間の費用として算出しています。
また重量税と自賠責の支払いは車検と同時に行いますので、重量税、車検費用、自賠責は2年に1回の車検の際に発生する費用を1年分に按分した金額になります。
- 自動車税
自動車税は排気量によって異なります。
RZH101G/RZH111G型ハイエースワゴンは2000〜2500ccの課税クラス、KZH100G/KZH110G/KZH120G/KZH106G/KZH106W/KZH116G/KZH126G型ハイエースワゴンは2500〜3000ccの課税クラスに該当します。
また、4代目ハイエースワゴンはすべての車両が新車登録後13年以上経過しているため環境負荷の観点から自動車税が約15%増額されます。型式 税額(13年経過) RZH101G
RZH111G51,700円 KZH100G
KZH110G
KZH120G58,600円 KZH106G
KZH106W
KZH116G
KZH126G - 重量税
重量税は車両重量によって異なります。
RZH101G/RZH111G型ハイエースワゴンは1500〜2000kgの課税クラス、KZH100G/KZH110G/KZH120G/KZH106G/KZH106W/KZH116G/KZH126G型ハイエースワゴンはグレードにより1500〜2000kgと2000〜2500kgの課税クラスが混在します。
また、4代目ハイエースワゴンはすべての車両が新車登録後13年以上経過しているため環境負荷の観点から重量税が約40%増額され、18年以上経過する車両はさらに約10%増額されますが、維持費は13年経過車両をもとに算出しています。
なお、課税クラスが複数存在するKZH100G/KZH110G/KZH120G/KZH106G/KZH106W/KZH116G/KZH126G型ハイエースワゴンについても2000kg以下のグレードをもとに維持費を算出しています。型式 税額(13年経過) 18年経過 RZH101G
RZH111G22,800円 25,200円 KZH100G
KZH110G
KZH120G2000kg以下:22,800円
2000kg超:28,500円2000kg以下:25,200円
2000kg超:31,500円KZH106G
KZH106W
KZH116G
KZH126G - 車検費用
車検代行料金、一般消耗品の交換費用などを含め車検費用を50,000円としています。 - 自賠責
4代目ハイエースワゴンは自家用乗用車に該当しますので、自賠責の金額は10,775円となります。 - 燃料代
年間10,000km走行、レギュラー1Lあたり130円、軽油1Lあたり110円を前提条件として、基本情報で説明した型式ごとの使用燃料と想定実燃費をもとに燃料代を算出しています。型式 燃料代 RZH101G
RZH111G191,200円 KZH100G
KZH110G
KZH120G132,500円 KZH106G
KZH106W
KZH116G
KZH126G141,000円
任意保険料は加入者の年齢やフリート等級などによって大きく変動するため維持費の目安から外しています。
ご参考までに、任意保険料は型式ごとの保険支払状況に基づいて毎年料率クラスを算出しており、損害保険料率算出機構の定める2021年の4代目ハイエースワゴンの型式別料率クラス※は以下のとおりとなります。
補償内容 | 料率クラス | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
RZH101G | RZH111G | KZH100G | KZH110G | KZH120G | KZH106G | KZH106W | KZH116G | KZH126G | |
対人賠償責任保険 | 9 | 14 | 10 | 12 | 10 | 9 | 9 | 7 | 13 |
対物賠償責任保険 | 10 | 9 | 7 | 9 | 8 | 11 | 10 | 9 | 9 |
搭乗者傷害保険 | 9 | 6 | 13 | 10 | 7 | 8 | 8 | 17 | 9 |
車両保険 | 5 | 1 | 6 | 3 | 6 | 5 | 6 | 3 | 5 |
ほとんどの保険会社がこの料率クラスをもとに保険料を決定していますが、具体的な算出方法は各社に委ねられているため会社によって保険料は異なります。
複数の保険会社の保険料を比較したい場合は無料の一括見積もりサービスを活用しましょう。
4代目 100系ハイエースワゴンの中古車価格帯
4代目ハイエースワゴンの型式別の中古車価格帯は以下のとおりです。
年式 | 中古車価格帯(車両価格) | ||
---|---|---|---|
RZH101G RZH111G |
KZH100G KZH110G KZH120G |
KZH106G KZH106W KZH116G KZH126G |
|
1989年 〜 2004年 |
40〜135万円 | 35〜195万円 | 35〜255万円 |
5代目 200系ハイエースワゴン(2004-)
5代目 200系ハイエースワゴンの基本情報
5代目ハイエースワゴンは2004年に登場し、すべての型式に用いられる数字が200台であることから通称200系と呼ばれています。
5代目 200系ハイエースワゴンの型式
5代目ハイエースワゴンの型式はTRH214W、TRH224W、TRH219W、TRH229Wの4種類です。
それぞれの型式は以下のとおり駆動方式やボディタイプ(全長)などによって区分されています。
型式 | 駆動方式 | ボディタイプ |
---|---|---|
TRH214W | 2WD | 標準 |
TRH224W | ロング | |
TRH219W | 4WD | 標準 |
TRH229W | ロング |
5代目 200系ハイエースワゴンのグレード
5代目ハイエースワゴンのグレード構成は以下のとおりです。
グレード | TRH214W | TRH224W | TRH219W | TRH229W |
---|---|---|---|---|
廉価 | DX | – | DX | – |
標準 | GL | GL | ||
上級 | – | グランドキャビン | – | グランドキャビン |
5代目 200系ハイエースワゴンのスペック
5代目ハイエースワゴンのスペックは以下のとおりです。
項目 | 型式 | |
---|---|---|
TRH214W TRH224W |
TRH219W TRH229W |
|
エンジン | ガソリン | |
排気量 | 2700cc | |
駆動方式 | 2WD | 4WD |
ターボ | 無 | |
使用燃料 | レギュラー | |
車両重量 | 1910〜2040kg | 2020〜2150kg |
想定実燃費 | 7.8km/L | 7.2km/L |
5代目 200系ハイエースワゴンの維持費の目安
5代目ハイエースワゴンの維持費※は型式によって異なり、年間294,875~312,875円(月あたり約24,600~26,100円)が目安となります。
- TRH214W/TRH224W型ハイエースワゴン
→294,875円/年(約24,600円/月) - TRH219W/TRH229W型ハイエースワゴン
→312,875円/年(約26,100円/月)
維持費はすべて1年間の費用として算出しています。
また重量税と自賠責の支払いは車検と同時に行いますので、重量税、車検費用、自賠責は2年に1回の車検の際に発生する費用を1年分に按分した金額になります。
- 自動車税
自動車税は排気量によって異なりますが、5代目ハイエースワゴンはすべて同じ課税クラス(2500〜3000cc)に該当します。
また自動車税制改正により2019年10月1日以降に新車登録された5代目ハイエースワゴンの自動車税は減額されますが、維持費は旧税額をもとに算出しています。
なお環境負荷の観点から新車登録後13年が経過した5代目ハイエースワゴンの自動車税は約15%増額されますが、維持費は標準税額をもとに算出しています。型式 新税額(2019/10/1以降) 旧税額(標準税額) 13年経過 TRH214W
TRH224W50,000円 51,000円 58,600円 TRH219W
TRH229W - 重量税
重量税は車両重量によって異なります。
TRH214W/TRH224W型ハイエースワゴンはグレードにより1500〜2000kgと2000〜2500kgの課税クラスが混在しており、TRH219W/TRH229W型ハイエースワゴンは2000〜2500kgの課税クラスに該当します。
また、環境負荷の観点から新車登録後13年が経過した5代目ハイエースワゴンの重量税は約40%増額されますが、維持費は標準税額をもとに算出しています。
なお課税クラスが複数存在するTRH214W/TRH224W型ハイエースワゴンについては、2000kg以下の課税クラスに該当するグレードをもとに維持費を算出しています。型式 標準税額 13年経過 TRH214W
TRH224W2000kg以下:16,400円
2000kg超:20,500円2000kg以下:22,800円
2000kg超:28,500円TRH219W
TRH229W20,500円 28,500円 - 車検費用
車検代行料金、一般消耗品の交換費用などを含め車検費用を50,000円としています。 - 自賠責
5代目ハイエースワゴンは自家用乗用車に該当しますので、自賠責の金額は10,775円となります。 - 燃料代
年間10,000km走行、レギュラー1Lあたり130円を前提条件として、基本情報で説明した型式ごとの使用燃料と想定実燃費をもとに燃料代を算出しています。型式 燃料代 TRH214W
TRH224W166,700円 TRH219W
TRH229W180,600円
任意保険料は加入者の年齢やフリート等級などによって大きく変動するため維持費の目安から外しています。
ご参考までに、任意保険料は型式ごとの保険支払状況に基づいて毎年料率クラスを算出しており、損害保険料率算出機構の定める2021年の5代目ハイエースワゴンの型式別料率クラス※は以下のとおりとなります。
補償内容 | 料率クラス | |||
---|---|---|---|---|
TRH214W | TRH224W | TRH219W | TRH229W | |
対人賠償責任保険 | 11 | 13 | 8 | 7 |
対物賠償責任保険 | 11 | 11 | 9 | 9 |
搭乗者傷害保険 | 12 | 8 | 9 | 4 |
車両保険 | 8 | 10 | 8 | 9 |
ほとんどの保険会社がこの料率クラスをもとに保険料を決定していますが、具体的な算出方法は各社に委ねられているため会社によって保険料は異なります。
複数の保険会社の保険料を比較したい場合は無料の一括見積もりサービスを活用しましょう。
5代目 200系ハイエースワゴンの中古車価格帯
5代目ハイエースワゴンの型式別の中古車価格帯は以下のとおりです。
年式 | 中古車価格帯(車両価格) | |
---|---|---|
TRH214W TRH224W |
TRH219W TRH229W |
|
2004年 | 65〜195万円 | 60〜275万円 |
2005年 | ||
2006年 | 70〜245万円 | 80〜335万円 |
2007年 | ||
2008年 | 100〜355万円 | 110〜375万円 |
2009年 | 100〜335万円 | |
2010年 | 100〜345万円 | 100〜405万円 |
2011年 | 100〜365万円 | |
2012年 | 100〜365万円 | 170〜405万円 |
2013年 | 100〜395万円 | 180〜395万円 |
2014年 | 135〜425万円 | 150〜395万円 |
2015年 | 130〜435万円 | 160〜435万円 |
2016年 | 150〜445万円 | 180〜465万円 |
2017年 | 155〜455万円 | 175〜480万円 |
2018年 | 165〜595万円 | 250〜440万円 |
2019年 | 200〜645万円 | 290〜555万円 |
2020年 | 310〜745万円 | 320〜545万円 |
ハイエースワゴンのライバル車
ハイエースワゴンとよく比較されるライバル車としては、三菱のデリカD:5などが挙げられます。