WRXはスバルが2014年から販売しているスポーツセダンです。
WRXはこれまでインプレッサの本格スポーツグレードに付与されていた名称を切り離し、WRXブランドとして全面に押し出すかたちで登場しました。
レヴォーグと共通のプラットフォームを使用し、搭載されるエンジンが異なる2つのモデル「WRX S4」と「WRX STi」がラインナップとして並びます。
WRXは世界ラリー選手権の略称である「WRC」と、かつてレオーネのスポーツグレードで使用していた「RX」を掛け合わせた造語で、本格スポーツモデルに相応しい名称となっています。
なおWRXは販売開始から現在までフルモデルチェンジを行っていませんので、現在販売中の車両は初代モデルとなります。
以下ではWRXの型式やグレード、簡単なスペックなど基本情報を説明したあとで、型式ごとの維持費の目安、中古車価格帯を紹介していきます。
初代WRX(2014-)
初代WRXの基本情報
初代WRXの型式
初代WRXの型式はVAG、VABの2種類です。
VAG型のモデル名称は「WRX S4」、VAB型のモデル名称は「WRX STi」となり、それぞれの型式は以下のとおりエンジンの性能(最高出力・最大トルク)によって区分されています。
型式 | 最高出力 | 最大トルク |
---|---|---|
VAG | 300ps(221kW)/5600rpm | 40.8kg・m(400N・m)/2000~4800rpm |
VAB | 308ps(227kW)/6400rpm | 43.0kg・m(422N・m)/4400rpm |
初代WRXのグレード
初代WRXの主なグレード構成は以下のとおりです。
グレード | VAG | VAB |
---|---|---|
標準 | 2.0GTアイサイト | – |
上級 | 2.0GT-Sアイサイト | STI |
最上級 | STIスポーツアイサイト | STI タイプS |
初代WRXのスペック
初代WRXのスペックは以下のとおりです。
項目 | 型式 | |
---|---|---|
VAG | VAB | |
エンジン | ガソリン | |
排気量 | 2000cc | |
駆動方式 | 4WD | |
ターボ | 有 | |
使用燃料 | ハイオク | |
車両重量 | 1540〜1550kg | 1480〜1510kg |
想定実燃費 | 10.3km/L | 7.8km/L |
初代WRXの維持費の目安
初代WRXの維持費※は型式によって異なり、年間249,075~288,575円(月あたり約20,800~24,000円)が目安となります。
- VAG型WRX
→249,075円/年(約20,800円/月) - VAB型WRX
→288,575円/年(約24,000円/月)
維持費はすべて1年間の費用として算出しています。
また重量税と自賠責の支払いは車検と同時に行いますので、重量税、車検費用、自賠責は2年に1回の車検の際に発生する費用を1年分に按分した金額になります。
- 自動車税
自動車税は排気量によって異なりますが、VAG/VAB型WRXはすべて同じ課税クラス(1500〜2000cc)に該当します。
また自動車税制改正により2019年10月1日以降に新車登録された初代WRXの自動車税は減額されるため、維持費は新税額をもとに算出しています。(2019年9月30日以前に新車登録された初代WRXには旧税額が適用されます。)型式 新税額(2019/10/1以降) 旧税額 VAG 36,000円 39,500円 VAB - 重量税
重量税は車両重量によって異なります。
VAG型WRXは1500〜2000kgの課税クラスに該当し、VAB型WRXはグレードにより1000〜1500kgと1500〜2000kgの課税クラスが混在しています。
グレードにより複数の課税クラスが混在するVAB型WRXについては1500kg以下のグレードをもとに維持費を算出しています。型式 税額 VAG 16,400円 VAB 1500kg以下:12,300円
1500kg超:16,400円 - 車検費用
車検代行料金、一般消耗品の交換費用などを含め車検費用を50,000円としています。 - 自賠責
初代WRXは自家用乗用車に該当しますので、自賠責の金額は10,775円となります。 - 燃料代
年間10,000km走行、ハイオク1Lあたり140円を前提条件として、基本情報で説明した型式ごとの使用燃料と想定実燃費をもとに燃料代を算出しています。型式 燃料代 VAG 135,900円 VAB 179,500円
任意保険料は加入者の年齢やフリート等級などによって大きく変動するため維持費の目安から外しています。
ご参考までに、任意保険料は型式ごとの保険支払状況に基づいて毎年料率クラスを算出しており、損害保険料率算出機構の定める2021年の初代WRXの型式別料率クラス※は以下のとおりとなります。
補償内容 | 料率クラス | |
---|---|---|
VAG | VAB | |
対人賠償責任保険 | 1 | 12 |
対物賠償責任保険 | 3 | 7 |
搭乗者傷害保険 | 6 | 7 |
車両保険 | 8 | 9 |
ほとんどの保険会社がこの料率クラスをもとに保険料を決定していますが、具体的な算出方法は各社に委ねられているため会社によって保険料は異なります。
複数の保険会社の保険料を比較したい場合は無料の一括見積もりサービスを活用しましょう。
初代WRXの中古車価格帯
初代WRXの型式別の中古車価格帯は以下のとおりです。
年式 | 中古車価格帯(車両価格) | |
---|---|---|
VAG | VAB | |
2014年 | 145〜265万円 | 255〜565万円 |
2015年 | 170〜285万円 | 300〜395万円 |
2016年 | 180〜315万円 | 350〜585万円 |
2017年 | 210〜425万円 | 330〜545万円 |
2018年 | 270〜385万円 | 390〜825万円 |
2019年 | 280〜455万円 | 460〜595万円 |
2020年 | 340〜520万円 | 470〜775万円 |
WRXのライバル車
WRXとよく比較されるライバル車としては、三菱のランサーエボリューションやホンダのシビック(タイプR)などが挙げられます。