ビートルはフォルクスワーゲンが1938年から販売しているコンパクトカーです。
ビートルは1933年当時のヒトラー政権が提唱した国民車思想を元に開発をはじめた車で、設計を担当したのはのちにスポーツカーメーカーのポルシェの創業者となるフェルディナント・ポルシェ氏、プロトタイプが完成するなど順調に開発が進められていたなか第二次世界大戦の勃発により開発が中断され壊滅的な状況となっていましたが、戦後の国民の懸命な働きのおかげでビートルも復活し、量産車として世界中に販売されていきました。
これまでの販売台数はゆうに2000万台を超え、4輪自動車の最量販モデルとしてドイツを代表する歴史ある車となっています。
ビートルは英語でカブトムシ、独特なボディフォルムがまるでカブトムシのように見えることからアメリカでビートルという愛称が用いられ、日本でも同様にビートルという名称が定着しました。
このほかフランスではテントウムシを示すコシネル、イタリアではコガネムシを示すマジョリーノといった愛称で呼ばれ、いずれもカブトムシ同様に甲虫がモチーフとなっているのが面白くもあります。
なおビートルは1999年、2012年にフルモデルチェンジを行っており、現在販売されている車両は3代目モデルとなります。(初代モデルのビートルは市場に出回っている中古車台数がわずかですので割愛させていただきます。)
またビートルはモデルごとに異なる車名を持っており、初代モデルが「タイプⅠ」、2代目モデルが「ニュービートル」、3代目モデルが「ザ・ビートル」と呼ばれています。
以下ではビートルの型式やグレード、簡単なスペックなど基本情報を説明したあとで、型式ごとの維持費の目安、中古車価格帯を紹介していきます。
目次
2代目ニュービートル(1999-2010)
2代目ニュービートルの基本情報
2代目ニュービートルの型式
2代目ニュービートルの型式は9CBFS、9CAWU、9CAQY、9CAZJ、9CAXJの5種類です。
このうち9CAXJ型ニュービートルは市場の中古車台数がわずかなためこのページでは割愛します。
それぞれの型式は以下のとおり排気量や年式によって区分されています。
型式 | 排気量 | 年式 |
---|---|---|
9CBFS | 1600cc | 2004.10-2010.12 |
9CAWU | 1800cc | 2002.2-2005.3 |
9CAQY | 2000cc | 1999.9-2002.7 |
9CAZJ | 2002.8-2010.12 |
2代目ニュービートルのグレード
2代目ニュービートルの主なグレード構成は以下のとおりです。
グレード | 9CBFS | 9CAWU | 9CAQY | 9CAZJ |
---|---|---|---|---|
廉価 | ニュービートルEZ | – | – | |
標準 | – | ニュービートル | ||
上級 | ニュービートル プラス | ニュービートル プラス ニュービートルLZ ニュービートル ヴィンテージ |
||
スポーツ | ニュービートル ターボ | – |
2代目ニュービートルのスペック
2代目ニュービートルのスペックは以下のとおりです。
項目 | 型式 | ||
---|---|---|---|
9CBFS | 9CAWU | 9CAQY 9CAZJ |
|
エンジン | ガソリン | ||
排気量 | 1600cc | 1800cc | 2000cc |
駆動方式 | 2WD | ||
ターボ | 無 | 有 | 無 |
使用燃料 | ハイオク | ||
車両重量 | 1250kg | 1280〜1310kg | 1280〜1300kg |
想定実燃費 | 9.8km/L | 9.0km/L | 8.5km/L |
2代目ニュービートルの維持費の目安
2代目ニュービートルの維持費※は型式によって異なり、年間255,475~277,275円(月あたり約21,300~23,100円)が目安となります。
- 9CBFS型ニュービートル
→255,475円/年(約21,300円/月) - 9CAWU型ニュービートル
→268,175円/年(約22,300円/月) - 9CAQY/9CAZJ型ニュービートル
→277,275円/年(約23,100円/月)
維持費はすべて1年間の費用として算出しています。
また重量税と自賠責の支払いは車検と同時に行いますので、重量税、車検費用、自賠責は2年に1回の車検の際に発生する費用を1年分に按分した金額になります。
- 自動車税
自動車税は排気量によって異なりますが、9CBFS/9CAWU/9CAQY/9CAZJ型ニュービートルはすべて同じ課税クラス(1500〜2000cc)に該当します。
また新車登録後13年が経過している一部の2代目ニュービートルは環境負荷の観点から自動車税が約15%増額されますが、維持費は標準税額をもとに算出しています。型式 標準税額 13年経過 9CBFS 39,500円 45,400円 9CAWU 9CAQY
9CAZJ - 重量税
重量税は車両重量によって異なりますが、9CBFS/9CAWU/9CAQY/9CAZJ型ニュービートルはすべて同じ課税クラス(1000〜1500kg)に該当します。
また環境負荷の観点から新車登録後13年が経過した2代目ニュービートルの重量税は約40%増額され、新車登録後18年以上が経過する車両はさらに約10%増額されますが、維持費は標準税額をもとに算出しています。型式 標準税額 13年経過 18年経過 9CBFS 12,300円 17,100円 18,900円 9CAWU 9CAQY
9CAZJ - 車検費用
車検代行料金、一般消耗品の交換費用などを含め車検費用を50,000円としています。 - 自賠責
2代目ニュービートルは自家用乗用車に該当しますので、自賠責の金額は10,775円となります。 - 燃料代
年間10,000km走行、ハイオク1Lあたり140円を前提条件として、基本情報で説明した型式ごとの使用燃料と想定実燃費をもとに燃料代を算出しています。型式 燃料代 9CBFS 142,900円 9CAWU 155,600円 9CAQY
9CAZJ164,700円
任意保険料は加入者の年齢やフリート等級などによって大きく変動するため維持費の目安から外しています。
ご参考までに、任意保険料は型式ごとの保険支払状況に基づいて毎年料率クラスを算出しており、損害保険料率算出機構の定める2021年の2代目ニュービートルの型式別料率クラス※は以下のとおりとなります。
補償内容 | 料率クラス | |||
---|---|---|---|---|
9CBFS | 9CAWU | 9CAQY | 9CAZJ | |
対人賠償責任保険 | 5 | 7 | 5 | 3 |
対物賠償責任保険 | 7 | 5 | 6 | 5 |
搭乗者傷害保険 | 6 | 4 | 8 | 7 |
車両保険 | 7 | 7 | 6 | 7 |
ほとんどの保険会社がこの料率クラスをもとに保険料を決定していますが、具体的な算出方法は各社に委ねられているため会社によって保険料は異なります。
複数の保険会社の保険料を比較したい場合は無料の一括見積もりサービスを活用しましょう。
2代目ニュービートルの中古車価格帯
2代目ニュービートルの型式別の中古車価格帯は以下のとおりです。
年式 | 中古車価格帯(車両価格) | ||
---|---|---|---|
9CBFS | 9CAWU | 9CAQY 9CAZJ |
|
1999年 〜 2004年 |
ー | 20〜145万円 | 10〜125万円 |
2005年 〜 2010年 |
10〜115万円 |
3代目ザ・ビートル(2012-)
3代目ザ・ビートルの基本情報
3代目ザ・ビートルの型式
3代目ザ・ビートルの型式は16CBZ、16CZD、16CZDW、16CPLの4種類です。
それぞれの型式は以下のとおり排気量や全高によって区分されています。
型式 | 排気量 | 全高 |
---|---|---|
16CBZ | 1200cc | 1495mm |
16CZD | 1400cc | |
16CZDW | 1510mm | |
16CPL | 2000cc | 1495mm |
3代目ザ・ビートルのグレード
3代目ザ・ビートルの主なグレード構成は以下のとおりです。
グレード | 16CBZ | 16CZD | 16CZDW | 16CPL |
---|---|---|---|---|
廉価 | ベース | – | – | – |
標準 | デザイン | |||
上級 | デザインレザーパッケージ | |||
スポーツ | – | Rライン | デューン | ターボ 2.0Rライン |
3代目ザ・ビートルのスペック
3代目ザ・ビートルのスペックは以下のとおりです。
項目 | 型式 | ||
---|---|---|---|
16CBZ | 16CZD 16CZDW |
16CPL | |
エンジン | ガソリン | ||
排気量 | 1200cc | 1400cc | 2000cc |
駆動方式 | 2WD | ||
ターボ | 有 | ||
使用燃料 | ハイオク | ||
車両重量 | 1280〜1310kg | 1340kg | 1380kg |
想定実燃費 | 14.6km/L | 15.0km/L | 11.2km/L |
3代目ザ・ビートルの維持費の目安
3代目ザ・ビートルの維持費※は型式によって異なり、年間200,875~237,575円(月あたり約16,700~19,800円)が目安となります。
- 16CBZ型ザ・ビートル
→203,475円/年(約17,000円/月) - 16CZD/16CZDW型ザ・ビートル
→200,875円/年(約16,700円/月) - 16CPL型ザ・ビートル
→237,575円/年(約19,800円/月)
維持費はすべて1年間の費用として算出しています。
また重量税と自賠責の支払いは車検と同時に行いますので、重量税、車検費用、自賠責は2年に1回の車検の際に発生する費用を1年分に按分した金額になります。
- 自動車税
自動車税は排気量によって異なります。
16CBZ/16CZD/16CZDW型ザ・ビートルは1000〜1500cc、16CPL型ザ・ビートルは1500〜2000ccの課税クラスに該当します。
また自動車税制改正により2019年10月1日以降に新車登録された3代目ザ・ビートルの自動車税は減額されますが、維持費は旧税額をもとに算出しています。型式 新税額(2019/10/1以降) 旧税額 16CBZ 30,500円 34,500円 16CZD
16CZDW16CPL 36,000円 39,500円 - 重量税
重量税は車両重量によって異なりますが、3代目ザ・ビートルはすべて同じ課税クラス(1000〜1500kg)に該当するため12,300円となります。 - 車検費用
車検代行料金、一般消耗品の交換費用などを含め車検費用を50,000円としています。 - 自賠責
3代目ザ・ビートルは自家用乗用車に該当しますので、自賠責の金額は10,775円となります。 - 燃料代
年間10,000km走行、ハイオク1Lあたり140円を前提条件として、基本情報で説明した型式ごとの使用燃料と想定実燃費をもとに燃料代を算出しています。型式 燃料代 16CBZ 95,900円 16CZD
16CZDW93,300円 16CPL 125,000円
任意保険料は加入者の年齢やフリート等級などによって大きく変動するため維持費の目安から外しています。
ご参考までに、任意保険料は型式ごとの保険支払状況に基づいて毎年料率クラスを算出しており、損害保険料率算出機構の定める2021年の3代目ザ・ビートルの型式別料率クラス※は以下のとおりとなります。
補償内容 | 料率クラス | |||
---|---|---|---|---|
16CBZ | 16CZD | 16CZDW | 16CPL | |
対人賠償責任保険 | 5 | 7 | 6 | 7 |
対物賠償責任保険 | 7 | 8 | 8 | 9 |
搭乗者傷害保険 | 7 | 7 | 8 | 7 |
車両保険 | 12 | 11 | 13 | 12 |
ほとんどの保険会社がこの料率クラスをもとに保険料を決定していますが、具体的な算出方法は各社に委ねられているため会社によって保険料は異なります。
複数の保険会社の保険料を比較したい場合は無料の一括見積もりサービスを活用しましょう。
3代目ザ・ビートルの中古車価格帯
3代目ザ・ビートルの型式別の中古車価格帯は以下のとおりです。
なお16CZD/16CZDW型ザ・ビートル、16CPL型ザ・ビートルは市場に流通する中古車が少ないため、それぞれ全年式をとおした中古車価格帯としています。
年式 | 中古車価格帯(車両価格) | ||
---|---|---|---|
16CBZ | 16CZD 16CZDW |
16CPL | |
2012年 | 45〜195万円 | ー | 130〜395万円 |
2013年 | 65〜210万円 | ||
2014年 | 85〜235万円 | ||
2015年 | 100〜235万円 | ||
2016年 | 120〜265万円 | 210〜470万円 | |
2017年 | 210〜285万円 | ||
2018年 | 180〜325万円 | ||
2019年 | 230〜295万円 | ||
2020年 |
ビートルのライバル車
ビートルは独創的な車ですから完全に競合する車はありませんが、あえてライバル車を挙げるとすれば、同じく丸目ヘッドランプが特徴的なモダンとクラシックが融合した車のMINIや、車格が異なりますがフィアットの500などが挙げられるでしょう。